COLUMNコラム
プールは地震が起きても問題なし!構造や地震発生時のプール時の対策
プールで水泳中に地震が発生すると、プールの水は大きく波打ち、軽い津波のような現象が発生します。
波の揺れによって水の深い部分ができるので、命を守るためには、地震発生後は速やかにプールサイドに出ることが大切です。
地震発生後にプール槽やプールサイドに亀裂が入ってしまうこともあり、自宅にプールを設置している場合は、周辺地域に甚大な水災を巻き起こしてしまう可能性もあります。
しかしながら、自宅プールは災害によるデメリットだけでなく、「地震や自然災害による断水が発生した場合の生活用水として活用できる」というメリットがあるのも知っていますか?
そこで本記事では、地震発生時に自宅プールで起こるリスクや、地震発生後のプールの水の活用方法、プールでの水泳時に自信が発生した場合の対処法を紹介します。
地震時にプールで起こるリスク
地震発生時にはプールには水が溢れたり、プール槽の構造物の損傷といったリスクが生じます。
これらのリスクは、自宅の庭の浸水だけでなく、周辺地域への被害が予想されます。
もちろん、自宅にプールを設置することは自宅でリゾート気分を味わえますが、これらの被害が発生するリスクを考慮した上でプールの導入を検討しなければなりません。
地震でプールの水が溢れる仕組みと対策
地震時にプールの水が溢れる「スロッシング現象」は、地震の揺れが波に伝わり、次第に波の振幅が大きくなることで発生します。
プールに波が発生すると屋内プールの場合には施設内や周囲の設備を水浸しにし、二次災害を引き起こす可能性があります。
また、水が溢れた際に周りへの水害を抑えるために、プールの周りを低い壁で囲う対策方法もあります。
地震がプール構造に与えるダメージ
地震の揺れは、プールの底部や側面に亀裂を生じさせることがあります。プール槽に亀裂が生じると、
漏水や構造の弱体化が発生し、修繕が必要になる場合があります。地震の影響で配管が破損してしまった場合は、浄水や排水システムの機能を完全に停止させるだけでなく、再度利用するまでに修繕する必要があります。
また、防水塗装がはがれてきたり、ひび割れが確認できた場合は、専門の業者に対して修繕を依頼するなど、日々のメンテナンスも必要です。
地震に強いプールを作るための条件
地震に強いプールを作るためには、耐震性能を意識した設計と、地震に強い素材の選定が不可欠です。
プールは大量の水を保持しているため、地震発生時には揺れによる「スロッシング現象」で水が溢れる可能性もあります。
こうした被害を最小限に抑えるためには、柔軟性と強度を兼ね備えた素材や構造が求められます。
FRPプールやRC構造が選ばれる理由
地震に強いプールとして注目される素材がFRP(繊維強化プラスチック)とRC(鉄筋コンクリート)です。
FRPは、軽量でありながら強度が高い素材です。
また、FRPは防水性や耐久性に優れ、腐食の心配も少ないので、メンテナンスの手間や費用を抑えることも可能です。
RC構造(鉄筋コンクリート)は、耐久性と剛性が非常に高く、長期間にわたって使用できる素材です。RC構造は、耐震性が高く、揺れによる変形や破損が少ない点が大きなメリットです。
プール設置場所で地震リスクが変わる
プールを設置する場所によって、地震時のリスクや安全性は大きく変わります。屋内にプールを設置する場合、建物の耐震性の影響大きい。しかし、建物の揺れによりプール槽や配管が損傷するリスクがあるため、配管部分の耐震補強が重要です。
屋外プールは地震の揺れによる建物への負荷が少ない一方で、「スロッシング現象」により溢れた水が庭や周囲に広がることで、周辺地域に被害を与える可能性はありますが、影響は微々たるものです。
屋上プールは景観が良く、空間を有効活用できる点が魅力ですが、地震の影響を受けやすい設置場所です。
「スロッシング現象」による水の溢れ出しが懸念されます。屋上のような建物の上層部は地震による揺れの影響がより大きくなるので、プール本体や配管が大きな負荷に耐えられる構造であることが求められ、より費用がかかります。
災害時に役立つプール水の活用方法
地震が起きて断水した際、自宅にプールを設置していれば、断水時の生活用水として利用できるのを知っていますか?
特に飲料水やトイレの水が不足する状況では、プールの水を生活用水として使用することで、災害の影響を乗り越える助けとなります。
ここからはプールの水を生活用水として利用する具体例や実際に活用された事例を紹介します。
プール水を生活用水に変える具体例
プールの水は、災害時に以下の用途で利用できます。
- トイレの洗浄:バケツに汲んだプールの水で流すことができる
- 掃除:特に地震後の泥や破片の除去に役立つ
- 火災発生時の消火:地震による火災が発生した場合に、消防車が到着するまでの消火に利用できる
- 手洗いや洗濯: ろ過装置が導入されていれば手洗い・洗濯の水として利用可能
自宅のプールにろ過装置や消毒剤を備蓄しておくことで、プールの水を消毒したり、衛生的な水を確保することができます。
災害時にプールの水を活用したい場合は、ポンプやバケツも準備しておくとよいでしょう。
学校の避難所でも活用された実例
能登半島地震では、断水が続く中、避難所となった石川県珠洲市の飯田小学校でプールの水がトイレの洗浄に使用されました。
約700人が身を寄せる避難所では、衛生環境の維持が課題となり、プール水の活用が生活の一助となりました。
プール水は、断水時にトイレの使用を可能にするだけでなく、清掃や感染症対策の一環としても役立ちます。
このように、プールの水はただ泳ぐのを楽しむだけでなく、地震の多い日本ならではの「生活用水として活用できる」というメリットもあるのです。
参考:記者が見た能登の現実 厳寒の避難所 トイレの水は学校のプールから…住民が交代で水汲み | 長野県内のニュース | NBS 長野放送
地震時のプールでの行動マニュアル
地震発生時には迅速で適切な行動が求められます。ここからは、地震発生時のプールの避難・対策方法を紹介します。
地震発生時にプールに入っている場合の対策
地震を感じた場合、プールの中央に移動して揺れが収まるのを待ちます。
壁やプールサイドに近づかないことで、落下物や衝突のリスクを避けられます。
その後、冷静に指示を待ち、安全な場所に移動します。
プールサイドにいる場合の対策
プールサイドでは、地震発生時に頭を守りながら倒れそうな物から離れます。
地面が揺れている間は、低い姿勢を保ちながら安全な場所へ避難します。
避難後は、二次災害に備えて周囲を確認しましょう。
地震に備えて事前に準備すべきこと
事前の準備として以下の項目を確認してください。
・設備点検:プールの構造や配管の耐震性を定期的に点検しておく
・避難ルートの整備:地震時に安全に避難できるルートをあらかじめ決めておく
・ろ過機や塩素剤の用意:衛生的な水を確保するために用意しておく
これらの準備を徹底することで、地震時のリスクを軽減し、施設利用者の安全を確保できます。
まとめ
本記事では、地震によるプールの水溢れや構造ダメージなどのリスクを解説するとともに、それらを防ぐ対策や、地震に強いプールを作る条件について紹介しました。
プール本体や配管へのダメージは、対策を講じなければ周囲にも大きな被害を及ぼす可能性があります。
プールの水は、地震後に断水が発生した場合、生活用水として活用できます。具体的な活用方法としては、トイレの洗浄や掃除、消火活動にも活用できます。
自宅プールは、楽しみだけでなく、災害時には地域を支える資源にもなり得ます。
地震の多い日本だからこそ、耐震対策や活用方法をしっかりと準備し、安全で有益なプール環境を整えることが大切です。
ISLAND POOLのコンクリートプールは耐震性のあるRC造なので特別な追加工事不要で安全性を確保できます。
「プールを設置したいけど地震による被害が心配」「耐久性の高いプールを施工してほしい」とお考えの方はぜひ一度「ISLAND POOL」までご相談ください。